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イリノイ州空軍の創設は第二次大戦直後の1946年で当時P-51ムスタング戦闘機は配備されていた。朝鮮戦争にも駆り出され活躍したが、1955年にF-84に更新されて以降15年間使い続け、1960年代後半までF-84サンダーストリークと言う1950年代の古い戦闘機を使っていた。其の為、ベトナム戦争への貢献もできずにいたが、老朽化が進むF-84は、遂に飛行中に機体の腐食が原因で翼が折れて墜落事故を起こし、パイロットが死亡する事故まで起こった為、1972年遂に新型の戦闘機への交換が始まった。この時、州空軍として最初に、当時最も進歩的な戦闘機F-4Cファントムを受け取ったのである。また、C型と並行して1972年から1975年までの3年間RF-4Cファントム偵察機も運用するなど、変わった経歴を持つ飛行隊でもある。
↑ 1980年7月にスプリングフィールドで撮影されたF-4C/63-7495。こうして見ると、170th TFSのF-4C時代は1飛行隊の中に4色のフィンチップカラーが存在し、カラフルであった事が判る。恐らくは航空自衛隊の飛行班のように小グループ毎に色分けされていたのかもしれない。翼下には、投弾訓練用のディスペンサー(SUU-20/A Pactice Bombs Dispencer)が懸架されている。このSUU-20/Aは長さが3.11mで、所謂なすびと呼ばれた小型訓練爆弾6発と4発の2.75インチロケット弾を収納でき 訓練に良く使われた。
↑ 1980年7月にスプリングフィールドで撮影されたF-4C/63-7672。
↑ 1978年6月にスプリングフィールドで撮影された170th TFSの F-4C/63-7699。この機体も1967年5月14日北ベトナム上空でMig-17を1機撃墜している。
↑ 1977年6月に撮影された170th TFSのF-4C/63-7683。ベトナムで活躍していた機体で、ウルフパック(8th TFW)で1967年1月北ベトナム空軍のMig-21を撃墜している。
↑ 1977年5月に撮影された170th TFSのF-4C/64-0770。嘉手納基地の44th TFSで活躍していた機体で、恐らく同隊がD型へ更新した時期に移動してきたものであろう。翼下にはSUU-20ディスペンサー(白)を付けている。。
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↑ 1980年7月にスプリングフィールドで撮影されたF-4C/64-0691。
↑ 1978年8月コロラド州バックレイ州空軍基地で撮影されたF-4C/63-7523。多少逆光で判りにくいが、尾翼のチップは赤色。
↑ 同じく1978年6月にスプリングフィールドで撮影された170th TFSのF-4C/64-0825。ジョージ空軍基地で訓練に使われていた機体である。
↑ 1976年のアメリカ建国200周年を記念した塗装が施されたF-4C/64-0776。シリアルナンバー末尾の”76”を活かした形で建国年1976~1976年を表現したもの。この機体は、1975年まで嘉手納の67th TFSに所属していた。
Wings
F-4C 170th TFS/ Illinois ANG
(F-4C 1972-1981)
↑ 1980年7月にスプリングフィールドで撮影されたF-4C/63-7520。1983年にコントロールを失って太平洋海域に墜落している。